北京雑感ー5

 514日から6ヶ月ほど北京に行ってまいります。

 発展の著しい北京ですから、去年とは違ったことが沢山見られると思いますので、また、この「わんりぃ」の誌面でお話させていただきますが、出発前に、去年の見聞を基にした北京の様子をお話してみたいと思います。

 北京の交通事情をお話していたので、交通信号でちょっと面白いことをご報告します。
ある時、北京で車に乗って信号待ちをしていると、前方の赤信号が黄色に変わってそれから青になりました。青信号が黄色になって赤に変わるのは納得しますが、「赤信号から青になる予告をする必要は無いのに」と、とても不思議に思いました。
それから信号に気をつけて見ていると、中には「青黄赤、青黄赤」と日本と同じ様に変わる信号もあることが分かりました。
つまり同じ北京市内で、「青黄赤黄青黄赤黄青」と変わる信号と、「青黄赤青黄赤」と変わる信号の
2種類があるのです。

 信号で停車する度に気をつけて観察を続けて、少しずつ謎が解けてきました。
不思議な信号は、古くからの幹線道路や、中心部から外れたところに多いことが分かりました。新しく開通した道路とか、中心部の道路には、日本と同じ様な信号機がついています。
つまり、これは古いタイプなので、新しく設置するところとか、中心部には新式の信号が取り付けられ、これから徐々になくなって行くもののようです。

 この信号は、縦に「青黄赤」と並んでいるものが多く、中の電気が上から中、下と順に点灯し、下の赤から再び中、上へと移動して行くことが分かりました。中の電灯は上下に移動するだけなので、真ん中の黄色を避けて通れず、赤と青の変わり目には必ず表れるのです。
信号の変化はあまり合理的とはいえませんが、この電灯の動きは単純でとても合理的だと思います。
原理が分かった時には、思わず独りで笑ってしまいました。
今回、この種の信号がまだ残っているか、興味を持って見て来ます。

 北京の交通関係のインフラは、まだまだ改善の余地がありますけれどこれからオリンピックに向けて、徐々に充実してくることでしょう。
道路を走る車は、数が多くなったばかりでなく、綺麗な車が多くなりました。
昔は、車体が凹んでいたり、埃をかぶっていたり、薄汚い車が多かったと思いますが、今では、バスやタクシーも新車がどんどん導入されオンボロバスとして有名だった連結バスも次々と新しくなっています。

 市内の車が綺麗になるに連れて増加してきたのが洗車屋さんです。住まいの近くに、歩道の上に古めかしいソファーを据えて、若者がたむろしているところがありました。「昼日中から、いい若い者が座り込んでおしゃべりに興じている…」とちょっと鼻白んで脇を通りすぎておりましたが、ある時、その若者たちが鉢巻をして洗い上がった車を拭いているのを見て、そこが洗車屋さんだと知りました。
そういえば、地面が水にぬれていることが多かったと改めて思い出しました。

日本で言う手洗い洗車で、料金は10元だそうです。こんなお店が雨後の筍のようにあちこちに出現しています。
中には、「電脳洗車」と銘打って、コンピューター制御の洗車機を導入している店も目に付くようになってきました。
一頃よりは大分良くなっていますが、建設工事が多いので、北京の砂埃はかなり酷くて、
4,5日もすると車は埃まみれになってしまいます。
そのせいか、去年
6ヶ月間滞在している間に、洗車屋の数は目覚しく増加しましたが、利用者もそれ以上多くなって、各店の業績も好調のようでした。

北京で車を買う時は、車検登録所でディーラーと待ち合わせをして、買主が自分で登録手続きをして車を受け取るのですが、持ってこられた車は、野外の車置き場からそのまま持ってきただけで、砂埃をかぶり、余分なものは何もついていません。
買主は、カー用品販売店へ乗りつけ洗車をし、フロアーマット等当座必要なものを買うのです。

ディーラーのお店は大きくて綺麗で、店内に展示した車はピカピカに磨き上げてありますが、在庫の車は地面の舗装も完全ではないようなところに並んでいて、納車の時も掃除などせず、そのままもって来るようです。
登録手続きは、中国では代行が認められていないようなので買主が出向くのは仕方がないとして、日本なら当然迎えに来てくれるでしょうが、こちらでは現地(登録所)集合です。
おまけに渡される車は埃だらけ。日本ではちょっと考えられません。毛ばたきの一つもおまけ無しです。そのせいかどうか、今、北京で目に付くのは、大規模なカー用品を売るお店です。
日本でも大きなチェーン店が何系列かあるようですが北京のお店は、それらと比べて、店の大きさも品揃えも、勝るとも引けを取らないものです。
洗車もカー用品も、北京の自家用車の増加につれて、市場がどんどん大きくなるでしょう。
どんな風に変わるか注目して見ていきましょう。

 

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